伊豆箱根鉄道大雄山線 全般検査に伴う甲種輸送 往路

 伊豆箱根鉄道では、自社の工場が駿豆線(三島〜修善寺)にのみ設けてあります。このため大雄山線(小田原〜大雄山)で全般検査を迎える車両が出た際に、JR東海道線経由で小田原〜三島間の甲種輸送を必要としています。

 さらにこの甲種輸送では、小田原駅構内にあるJRとの連絡線に架線が張られていないため、機関車や貨車、さらには旅客用の電車を用いて、電化区間から該当の車両を押し出すように引き渡しています。

 恐らく、写真を見ていただくのが一番わかりやすいと思いますので以下にまとめました。

▲今回輸送するのは5000系5506F。工事用車コデ165に牽かれて2番線に入線します。[9:50]
▲駅舎から見た2番線。このコデ165は戦前の国鉄30系として造られた車両で、相鉄を経て大雄山線で今なお現役という貴重な存在です(クリックで拡大)。
▲EF65の牽引する貨物列車が貨物線上に現れます。ポイントを通過し、JRの貨物線上に停車。[10:09]
▲ここで登場するのが5000系5505F。10:11に44レとして1番線に到着後、客扱いを終えると、牽引車代わりに用いられます。
▲このときコデ165から切り離され、5000系の6両編成という珍しい光景を見ることができます。
▲牽引車をもう1編成用意したのには訳があります。写真は大雄山線とJRの貨物線とを結ぶ連絡線ですが、ここには架線が張られていません。このため5505Fによって、電化区間から推進する必要があるのです。
▲EF65が後退し、ワムと5506Fを併結します。ちなみにこのワムは控え車で、連絡線にEF65が入れないため、長さを稼ぐ役割を担っています。
▲無事連結作業を終えたところ。
▲貨物列車に牽かれ、三島へと向かって行きました。
▲以上の動きをまとめた表です。時刻も載っているので、撮影に行かれる際などに参考にしてみてください(クリックで拡大)。
 
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