小田原バーチャル鉄道博物館 top > 入生田電車館 > 小田急3100形NSE












 1963(昭和38)年に登場した小田急電鉄の特急専用車です。同社の車両として初めて展望席を設け、小田急ロマンスカーのブランド確立に大きく寄与しました。
 当時の小田急車にはアルファベットの通称を与えるのが通例となっており、この形式はNSE(New Super Express)の名で親しまれました。

◆特殊な機構を多く持ち合わせた車両
 同じ日本車輛で製造された名鉄パノラマカー同様、二階に運転席を設けることで一階の展望客室を実現しています。このため自動車等との衝突事故の際には被害を軽減しなければならず、前に飛び出した前照灯ライトケースには「ダンプキラー」と呼ばれる大型油圧ダンパ装置が備えられています。
 低重心化も図られており、車体の床面を下げているほか、登場時は屋根上に機器を載せず空調は床下に設けられました(冷房能力不足のため後に屋根上に追加設置)。
 前代ロマンスカーSE車同様、「連接構造」と言われる特殊な連結方式を採用しているほか、昭和30年代の登場にも関わらず側扉の開閉が手動であることも特筆されます。

◆保存状態
 かつてはテントで覆われており、公開日が限られていましたが現在は撤去され、常時公開されています(車内公開日は不定期)。
 そのため保存状態が極めて良く、劣化は見られません。若干退色していた車体も2015年に再塗装されました。
 車内は一部が改装されており、床下機器は先頭の台車のほかは撤去されています。

◆Googleマップ