小田原バーチャル鉄道博物館 top > 国府津機関車館 > D52型蒸気機関車 72号機
1943(昭和18)年〜1946(昭和21)年に製造された貨物用の蒸気機関車です。有名な”デゴイチ”D51形の改良タイプで、貨物列車の牽引機が不足していた太平洋戦争半ばでの登場でした。設計上の出力は日本最高の1,660馬力です。
貨物用ではあるものの、高い馬力を生かして御殿場線などの山岳路線で旅客列車を牽引することも多くありました。のちにD52形の改造により登場したC62形は、「つばめ」の牽引機として有名になりました。
◆デビュー当時は”欠陥だらけ”
D52形は戦時中の物資不足の中で製造されたため、本来鋼材を使うべき部品に木材の代用品が用いられるなど、登場時は事故や故障が相次ぎました。重量を稼ぐためコンクリートの錘が用いられたほどで、ボイラー爆発事故も3件記録されています。
しかし戦後数年経ち、物資不足がある程度解消されると、順次本来の設計通りに改造されていき、歴代最強の馬力が活かされることとなります。御殿場線では貨物・旅客ともに難なく峠越えできる車両として機関士から重宝され、東海道線不通時には迂回してきた特急「つばめ」、急行「能登」(当時は米原経由)も牽引しています。
◆保存状態
地元の保存団体により手入れされており、大変良好な状態です。屋根がないにも関わらず錆などの劣化もあまり見当たりません。
◆Googleマップ